私は働いていたころ、報連相が死ぬほど苦手だった。
特に相談が一番苦手。
まあそもそも報告・連絡の何たるかはわかっていないのだけれど。
図書館で報連相についての本ないかなーと思って探した本がこれ。意外と報連相についての本ってないように思う。報連相が大事って結構言われてるのにね。不思議。
前回と一緒でこの本の中の要素3つだけをまとめてみる。
太字が本の内容から引っ張ってきた部分だったり、引用した部分になっている。
①報告するときには、相手の目的・自己の目的を明確化
報告とはまず何のためにしているのか、その目的を意識するようにすることが大切。
報告する目的は、相手の目的そして自己の目的の二つある。
まずは相手が報告にどんなことを求めているのか、それを理解するようにしよう。
どんな目的のために報告をお願いするのか教えてくれる上司もいるかもしれないが、ほとんどの場合はいちいち言わなくてもわかっているはずだとしてはっきり言わない場合がふつう。
だから、普段から相手の考え方をよく理解し、全体状況や背景をつかんでおく必要がある。「上司が目的を言ってくれないから、ちゃんとした報告ができないんだ!」という依存的な人もいると思うが、自分の仕事の目的は自分で明確にしなければならないもの。自分から相手の目的を「推察」することで依存的な人間から一歩成長することができる。
これを読んで・・・。
とはいえ、ASDみたいな人の気持ちを推察するのが難しい人間には、かなり難しい課題だなぁと思う。
そんな人のために、この本には、推察できない場合の対処法も書いてある。
それでもわからなければ、巧みなアプローチで相手の目的を確認しておく。
「いったい何のためですか?」だとあまりにもストレートな訊き方過ぎて相手の機嫌を損なう可能性があるので、「○○が目的でしょうか?」と、確認方式で尋ねるようにすると良い。
相手の目的を察することができない場合の対処法についても、人の言っていることがなかなか理解しにくい人間にはかなりハードだなあと思う・・・。いや、「巧みなアプローチで」って。やはり発達人間には厳しいのか・・・。
そして、相手の目的は大事だが、自己の目的についても同様に大事。
報告とは「自分が相手に何かしてもらいたい」ためにするものでもある。
報告して、それに関する指示が欲しい
報告して、その件を上司から社長の耳に入れてほしい
報告して、課長から関係者に働きかけてほしい
報告して、大丈夫だと安心してほしい
速報して、まずは知っていてほしい(詳細報告や対策提案は後でよい)
実はこれがあいまいな人が結構いる。そういう人は、相手に報告した時「それがどうした?」と言われてしまい、自分で何がしたいのかがわかっていないために答えられない・・・。ということが起こる。こう言われたとしても自分の目的を伝えられるよう、自己の目的を明確化しておくことは必ず必要なことだ。
しかしだからと言って、自分の目的だけ果たせればいいかというとそれは違う。相手があっての報告なのだから、そこでは相手の目的に反していたり、無関係では困る。相手の目的も満たして、同時に自己の目的も充足するのがよい報告なのだ。
振り返ってみて、相手の目的も自己の目的もどちらもあいまいな自分には良い報告など到底無理だったろうなと思う。
”とりあえず”状況に変化が起きたから、報告しておこう・・・。”とりあえず”一仕事終えたから報告しておこう・・・。相手の目的は分からずとも"とりあえず"報告しておれば相手の目的を外すことは少なくなるだろうという期待を持ってとりあえずの報告の多用。そしてうざがられる・・・。フラッシュバックしてきた。
この報告の目的とは一体なんなのか、意識せずとも分かる人は多いのだろうが、結局できない人はまずは意識するところから始めなければならないのだろうな・・・。
②中間報告はいつすべきなのかを知る
中間報告。こいつも苦手である。
そもそもいつすべきなのかが全く分からない。
新社会人の頃は特に報告しなさ過ぎて、怒られていたし、逆にビビりすぎて報告しすぎたのかなんかまたきたよこいつ・・・みたいな反応をされたことも度々。
そんな中間報告をすべきタイミングについて、この本には記載されている。
中間報告が必要になるのは、
①状況が変わったとき。
②長い期間を要する仕事の時。
③その仕事を終了するめどがついたとき
中間報告では途中経過を単純に報告するだけでよい場合もある。
「○○の件は順調に進んでいます」と一言言えれば、それで立派な中間報告となる。
では、「状況が変わったとき」にどうするか。これをどうするか考えてみよう。
状況の変化への対応策は二通りある。
A:状況がどうあれ、当初の指示通りに遂行する
B:状況が変わったので柔軟に軌道修正する
あなたがあなたなりの状況を判断し、ABどちらの対処をするかを選んだとする。その判断は、おそらく正しいはずだ。なぜなら、判断のよりどころとなる情報は、上司だけでなく、現場の担当者も持っているからだ。
ただし、それは「中間報告さえあれば」という条件付きになってくる。
これは上司の立場になって考えれば、わかる。状況が変化したのであれば中間報告なしに当初の指示通りに忠実に進められるのも困るし、中間報告せずに勝手に軌道修正されて何かあっても責任を取ることができなくなってしまう。
確かにこの本で言っている、中間報告をするタイミングで言えば、一番難しいのは、「状況が変わった時」かもしれない。私には上司の立場になって考える、という要素がやや欠けているように思う。やはり何事も相手の立場に立って考えてみるというのは大事なことと思わされる。
まあ、私の場合だと状況の変化に弱くてすぐパニックになるから、状況が変ったというシチュエーションで正しい判断を下すのは難しいし、上司に正しい判断をしてもらうための情報を提供するのも困難ではあるのだけど・・・。
③相談される側の悩みから相談のコツをつかむ
相談をされるような立場になったことがないし、今後もないだろうから、相談される側の悩みってそんなにわかっていない。
そういう相談される側の悩みがいろいろと書いてある部分があって非常に参考になった。以下その悩みを列挙。
①相談がない(そこまで悩んでいたのなら、なぜ相談してくれなかったのか)
②納期が切迫していて、もうどうにも手の打ちようがない、タイミング遅れの相談
③勝手に実行した後に持ってくる相談(相談という名の事後承認や事後報告になってし
まう)
④ポイントがはっきりしない相談(質問すると本人も良くわかっていない)
⑤こちらが忙しくて余裕のないときに、自分の都合だけで些細なことを長々と話しかけてくる相談
⑥自分の意見を通したいため、同じことを何度も言ってくる相談
⑦自分の意見がない、上からの指示を待つだけの相談(なんでも「どうしましょうか?」では困る)
⑧相談する相手を間違えた相談(自分の専門、自分の知識・経験では答えられない相談をされても・・・)
⑨「君はどう思う?」と訊くと、「わからないから相談しに来たのです」と開き直る相談
⑩相談に来たものの、その後の結果報告がない相談(あれからどうなったんだろう)
⑥はなかったけど、他は全部思い当たる節がありすぎる。。。もっとも前にこの本を読んでいたら多少は違ったような気がする・・・。
⑦について。自分のゴミみたいな考えを述べても・・・と思って、働いているときには、自分の考えを述べないようにしてきた。でもそれは間違いだったのだなあと思う。自分の考えを持たない、表明しないということは自分の責任を自分でとろうとしていない、無責任な人間だったなと気づいた。
まとめ
長くなってしまった。
これは2007年に出た本だったので、参考になるのかなと思ったが、読んでみたら「なるほど」と思うような情報が結構のっていたので、本質的なところは変わらないものだなあと思った。
そして結局報連相って難しいな・・・と痛感。
取り入れられるところから、取り入れていくしかないとは思う。
例えば、
相談したのだったら、その結果を必ず報告する。
自分としてはこうしたい、という意見を持つ。
この2つだったら、可能かもしれない。
きっちりした報連相が必要になるような職に就くのかな・・・。
ちょっと話はそれるが、今回の本は、市内のいつも行っている図書館とは別の館の閉架書庫から出してもらった。
市内の図書館以外にもいろいろな図書館から取り寄せ可能なようなので、読みたい本は我慢せず取り寄せリクエストして読んでいきたいと思う。